柳楽 優弥のデビュー当時の様子

柳楽優弥さんと言えば、2004年に第57回カンヌ国際映画祭で、出品された主演映画によって男優賞を、当時の最年少である14歳で受賞しました。
その受賞の際には、義務教育中の中学生だったため、学校のテストを受ける必要があり、映画祭から既に帰国していました。残念ながら、本人は受賞式に直接出席出来ず、監督が代わりに受賞したという逸話もあります。

この受賞によって、日本のみならず世界で注目を集め、2014年の文化関係者文部科学大臣表彰を受けるだけではなく、同年には「TIME」誌アジア版で、「2004 Asia's Heroes」に選ばれました。
勿論、現在もドラマや映画という第一線の舞台で活躍されている俳優でもあります。

尚、カンヌで男優賞を受賞した映画が、柳楽さんにとっての初仕事だったというだけではなく、初のオーディションでありながら、いきなりの主役に選出された映画でした。
まさに、異例尽くしの、柳楽さんの才能がいきなり発揮された作品でもあったわけです。

柳楽さんが子役や俳優を志したのは、子役をやっていた友人が「楽しそうだった」ことや「人を笑わせたい」程度の、それほど強い「俳優になりたい」という意志があったというわけでもなかったそうです。
しかし、初主演映画の監督が、柳楽さんの初めてのオーディションの際、「目に力がある」と思ったのですから、まばゆい才能が、本人が気付かないうちにほとばしっていたのかもしれません。

カンヌでの受賞時は、撮影から2年経過していたこともあり、柳楽さんは、既にメディアの表舞台で活動していました。
れもあって、リアルタイムでデビューから注目されたというわけではありませんが、この受賞が、柳楽さんのその後の俳優人生に大きな影響を与えることとなります。

知名度があがったことで、多くの映画で主演を務めると共に、声優もこなすなど、俳優としての才能を発揮し続けていました。
一方で、史上最年少での男優賞受賞のプレッシャーが、普段はよく喋るという、明るい少年にとっては、気付かない内に重荷となっていたようです。

2008年頃には、一時体調不良になり、体力を消費しないような仕事に限ってこなしていました。
また、子役として成功してしまったため、社会人としての経験をこなさずに来たと感じ、それ以降の俳優業への影響も考えて、敢えてアルバイトに精を出すことも行いました。

しかし、家族の支えや、以前から交際していた女優さんとの結婚、女の子を授かって父となったこともあって心境に良い変化が生じ、再び俳優業に専念することが出来るようになりました。